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採用前に知っておくべき外国人ITエンジニア採用のメリット・デメリット・採用ポイントを解説

採用前に知っておくべき外国人ITエンジニア採用のメリット・デメリット・採用ポイントを解説

近年日本では外国人ITエンジニアの雇用が拡大しています。しかし、外国人ITエンジニアの採用についてはわからない面も多く、興味はあるものの採用に踏み出せないという企業も多いのではないでしょうか。今回は外国人ITエンジニアの労働実情から、採用のメリット・デメリット・採用ポイントまで詳しく紹介します。外国人ITエンジニアの採用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

●日本で働く外国人ITエンジニアの現状

プログラミングコードを書く様子

国内のITエンジニア不足が深刻化する中、人材不足を補う貴重な存在として外国人ITエンジニアの数が年々増加しています。2008年には約18,000人だった外国人ITエンジニアは2015年には約36,000人になっており7年間で約2倍に増加しました。国籍別に見てみると最も多いのは中国国籍で、日本で情報通信業に従事している半数以上は中国国籍の方となっています。次いで、韓国国籍、アメリカ国籍、ベトナム国籍、フィリピン国籍となっており、特にアジア出身者の活躍が目立っています。

●外国人ITエンジニア増加の理由と背景

近年、日本では外国人ITエンジニアの雇用が進んでいます。国内では長年エンジニア不足の状態が

続いており、人材不足解消に向けて外国人ITエンジニアへのニーズが高まっているのです。日本では少子高齢化の影響により、労働人口が減少の一途を辿っており人材確保が難しい状況が続いています。また、下請け企業は劣悪な労働環境が敷かれている影響もあり、IT業界は労働者から懸念される傾向が強く特に人材確保が難しい業界となっています。今後も国内のエンジニア不足が解消される見込みはなく、外国人ITエンジニアはますます増加していくことが予想されています。

●外国人ITエンジニア採用のメリット

パソコンを打つ男性

外国人ITエンジニアは海外進出の大きな戦力となるほか、国内で問題となっている人材不足の解消にも一役買うなど採用するメリットは豊富にあります。外国人ITエンジニアを採用するメリットを詳しく見ていきましょう。

◎海外進出の戦力を確保できる

外国人ITエンジニアは、海外進出の際に大きな戦力となります。進出を考えている地域の出身者を採用すれば、文化やマナーについて直々にレクチャーを受けられ万全の体制で仕事を始めることができます。通訳の役割も担ってもらうことができ、言葉の壁なく現地の人ともスムーズにコミュニケーションをとれるというメリットもあります。採用実績を残すほど現地で社名も広まり、現地でのプロモーション活動にもつながるでしょう。

◎社内の活性化につながる

母国を離れ異国の日本での就労を目指すのは覚悟がいることであり、高いモチベーションを持っている人材が多くなっています。高い意欲を持った人材が加わることで、既存の社員にも良い刺激を与えてくれるでしょう。また、外国人ならではの発想やアイデアで、新たな風を吹き込み社内の活性化にもつながります。

◎人材不足の解消

日本では少子高齢化により年々労働人口が減少しており、人材確保が厳しい状況が続いています。外国人の人材を採用することで人材不足の解消につながり、国内で特に不足している若手の人材も獲得しやすくなっています。

●外国人ITエンジニア採用のデメリット

外国人ITエンジニアは採用するメリットも豊富にありますが、デメリットもいくつかあります。採用後に困ることがないように、デメリットについても確認しておきましょう。

◎異なる文化や習慣への対応が難しい

異なる文化や習慣をもつ、日本人と外国人が同じルールの中で働くのは簡単なことではありません。例えば、宗教によっては一日に何度もお祈りの時間を必要とする場合もあり、勤務を優先するのか宗教を優先するのか考えていかなければいけません。また、評価体系についても日本では年功序列での評価が一般的ですが、海外では実力主義が一般的と大きく異なっています。日本の文化や習慣を押しつけてしまうと外国人が働きにくくなり、反対に海外の文化や習慣を尊重しすぎると日本人社員から反感を買う恐れがあります。互いの文化や習慣を尊重した全社員が働きやすい環境づくりは、外国人採用におけるひとつの課題となります。

◎外国人採用特有の手続きが必要

外国人が日本で働くためには、ビザと在留資格が必ず必要となります。在留資格は業種ごとに分かれており、従事する仕事にあった在留資格が必要となります。中途採用で既に在留資格を保有している場合でも、前職と職種が変更となる場合は在留資格の変更が必要となります。必要な資格を持たず就労した場合は不法就労となり、外国人のみならず雇用した企業も罪に問われます。外国人を雇用する際に必要となる手続きは、事前にしっかり確認しておきましょう。

●外国人ITエンジニアの採用で押さえておくべき2つポイント

メガネをかけた男性

外国人ITエンジニアの採用を成功させるには、「労働環境の整備」と「外国人雇用のルール確認」が欠かせません。外国人ITエンジニアの採用において押さえておくべき2つのポイントを、詳しく見ていきましょう。

◎労働環境の整備

異なる文化や習慣をもつ外国人労働者に快適に働いてもらうためには、労働環境の整備が欠かせません。外国人を採用するデメリットの項目でも紹介したように、日本と海外では働き方や習慣などあらゆる面で異なる点が多くあります。採用予定者の出身国の文化や習慣を踏まえた上で、全社員が働きやすい労働環境を作っていかなければいけません。また、コミュニケーションが取りやすいように、外国人が理解しやすい伝え方を心がける、社内で英語教育を強化するなど言語の壁をなくす対策も必要となります。

◎外国人雇用のルールを確認しておく

外国人を雇用する際は、日本人採用にはない様々な手続きが必要となります。手続きを怠ると罪に問われることもあるので、外国人雇用のルールはしっかりと確認しておかなければいけません。外国人が日本で働くにはビザと在留資格の取得が必須となります。既に在留資格を持っている場合でも、在留期限が切れていないか、採用する職種にあった在留資格を保有しているか確かめなければいけません。在留資格に沿った職種でしか働くことができないため、在留資格と採用職種が異なる場合は在留資格の変更手続きが必要となります。また、雇用後にはハローワークへの届け出が必要となるので、忘れず手続きを行ってください。

●外国人ITエンジニアの採用方法

外国人ITエンジニアを採用する場合は、就労ビザの申請手続きなど日本人採用にはない手続きが必要となります。スムーズに採用を進められるよう、外国人ITエンジニア採用の流れを確認しておきましょう。

1、求人募集

2、応募者に就労ビザの取得見込みがあるのか調査

3、面接

4、内定

4、雇用契約書作成

5、就労ビザの申請手続き

6、雇用開始

7、ハローワークへの届け出

外国人ITエンジニアの採用は、SNSや求人サイトなどを活用して自社で進めていくこともできます。しかし、紹介したように日本人採用とは異なる点も多いので、不安がある場合は採用活動を一からサポートしてくれる人材会社を活用し採用を進めていくと良いでしょう。

●まとめ

国内のITエンジニア不足が進む中、人材不足を解消する貴重な存在として外国人ITエンジニアへのニーズが高まっています。少子高齢化により今後も労働人口は減少する見込みとなっており、外国人ITエンジニアの需要はさらに高まりを見せるでしょう。外国人ITエンジニアの採用は人材不足の解消につながるだけでなく、海外進出における戦力の確保や日本人にはない新しいアイデアの創出が期待できるというメリットも持ち合わせています。ただし、外国人ITエンジニアの採用は簡単ではありません。日本人とは異なる文化や習慣をもつ外国人が快適に働けるよう労働環境の見直しが必要となるほか、就労ビザなどの手続きも必要となります。外国人採用のルールを確認したうえで採用活動を進めていきましょう。自社だけで採用を進めていくことに不安がある場合は、採用から入社まで万全のサポートで採用活動を支援してくれる人材会社を活用するのも一つの手でしょう。自社にあった形で外国人ITエンジニアの採用を進めていってください。

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