2023年インド見聞記(第5回) | 世界最高のホテルはインドにあり
サンウェルでアジアビジネスのコンサルタントを務める渡辺千晶が、新型コロナウィルス対策が緩和されてから、はじめてインド出張に行ってきました。そこで出会った「今のインド」をお伝えします。
世界最高のホテルはインドにあり
コロナ禍も落ち着き、インドへの出張や旅行も本格的に再開されました。インドのホテルに対してあまり良いイメージを持っていない方もいらっしゃるようですが、実はハイクオリティなホテルにお手頃価格で泊まれるホテル好きにとってはパラダイスなのです。
インドを代表するホテルチェーンと言えば、まずあげられるのがタージ(Taj)グループです。同グループは1903年にムンバイ(旧ボンベイ)でTaj Mahal Palace Hotelを開業したのを皮切りに、現在は世界中に200軒近いホテルを経営しています。初代オーナーのJamsetji Tataはインド最大の財閥タタグループの創業者でもあり、英国植民地下のムンバイでインド人であることを理由にホテルへの入館を拒否されたことをきっかけに、それならばインド人の手によりインドで世界最高のホテルを作ろうと思ったのが、ホテルビジネス に着手したきっかけとも言われています。 その思いを受けたTaj Mahal Palaceはその名の通りマハラジャの宮殿のようなラグジュアリーさをたたえ、細部まで行き届いたサービスを受けることができます。そのほかのTaj系列のホテルでも喧騒とは無縁の落ち着いて優雅な時間を過ごすことができ、「インドではTaj系ホテルに泊まれば間違いなし」とも言われています。ジャイプールのTaj Rambagh Palaceはトリップアドバイザーの2023年版「トラベラーズチョイス ベスト オブ ザ ベスト ホテルズ」のワールド1位にも輝いています。そのように高評価のTaj系列ホテルでも、シーズンによっては日本のビジネスホテル並みのお値段で泊まれるのもうれしいところ。また同じくインド資本のOberoi グループや、かつての宮殿や金持ちの邸宅などをリノベーションしたHeritage Hotelも人気です。
その一方で機能性を重視したビジネスユーザー向けのホテルも数多く誕生しており、2004年創業のLemon Treeグループは世界57都市で91ホテルを展開しています。日系ホテルも進出しており、日立ライフがデリーにAvalon Courtyard Residences and Suitesを、ベンガルールではトヨタグループがThe Chancery Hotelを運営しています。いずれもインドでは貴重な大浴場と和食レストランが自慢で、日本で大きなお風呂の魅力に開眼したインド人や欧米人ゲストも、入浴と湯上りのビールを目当てに泊まりに来るそうですよ。
インドのホテル市場は2022年の185億1,000万ドルから2030年には475億ドルへ、年間12.5%の拡大が見込まれています。日本のホテルもぜひ進出してみてはいかがでしょうか?
参考
India Hotel Market, Size, Forecast 2023-2030, Industry Trends, Growth, Share, Outlook, Impact of Inflation, Opportunity Company Analysis
https://www.renub.com/india-hotel-market-p.php
<執筆者プロフィール>
サンウェル 社長室 コンサルティング事業部 部長 渡辺千晶
インド専門の調査コンサルティング会社出身。インドをはじめとするアジア諸国におけるコンサルティング、進出セミナー、駐在者への研修などを担当。
インタビュー記事:https://sunwells.com/recruit/people/watanabe/
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