ユガナンダンの外国籍派遣社員活用講座(第3回目)
こんにちは。サンウェルのユガナンダンです。前回は「外国籍派遣は頼もしい味方」であることを解説しました。しかし時には「思ったほど活躍してもらえないな…」と思うことも。その理由と解決策をご説明いたします。
「外国籍派遣社員によりよく活躍してもらうコツ」
せっかく外国籍派遣社員に入社してもらったのに、思っていたほど活躍してもらえないという印象を持つことがあります。その理由としては以下のようなことがあげられます。
1:契約以外の仕事をまかせたらやる気を失ってしまった
職場の状況によっては、外国籍エンジニアに契約とは違う内容の仕事をまかせることがあります。しかし前にもご説明したように、外国では職能がベースとなる「ジョブ型採用」が一般的なため契約外の仕事を依頼すると、自分のスキルが尊重されていないと感じやる気を失ってしまうことがあります。
【解決策】派遣契約を結ぶ際に、契約書に書かれた以外の業務やほかの部署の仕事を依頼する可能性があることを説明しましょう。担当外の仕事を経験することは新しいスキルを身につけネットワークを広げるチャンスであることなど、エンジニアにとってメリットがあることを説明すると理解してもらいやすいです。また入社から時間がたっている場合は、新しい業務を依頼する際などに契約時にそのような可能性について話をしたことを改めて伝えましょう。
2.「とりあえず」採用してしまったため、スキルにあった仕事を依頼できない
日本人の採用が難しいなどの理由で人数確保のため外国籍派遣社員を採用した場合も、即戦力として働きスキルを磨きたい彼らと、とりあえず採用してから担当業務を決めていこうとする日本企業との間にずれが発生することがあります。特にIT企業ではこの傾向が見受けられるようです。
【解決策】若いエンジニアの場合は彼らの伸びしろに期待し、さまざまな仕事をしてから専門を会社と一緒に探していく「ポテンシャル採用」という手もあります。その場合は派遣会社に相談してポテンシャル採用のメリットとデメリットをリスト化し、それらを承知したうえでポテンシャル採用でもかまわないというエンジニアを派遣してもらうようにしましょう。
3.「できる」と言っているのに結果が伴わない
外国企業では年功序列ではなく、自分の実績やスキルを上司に認めてもらったうえで昇給や昇格が決まることが一般的です。そのため外国籍社員は自分自身を積極的に、多少オーバースペックにアピールする傾向があり、「10」のスキルが必要な場合でも「3」程度のスキルがあれば「私はできます!」と言ってしまうのです。逆に日本人は「8」のスキルがあっても「できません」と言ってしまいますね。
【解決策】「できる」の認識が違うため簡単なテストやシミュレーションなどを行い、外国籍エンジニアが言う「できる」がどのような内容を意味しているのかを明確に把握しましょう。自己主張が強くアピール上手な人が多いので、海外営業などでは控えめな日本人とペアを組んでもらうと、ちょうどよいバランスになることが多いですね。
4.勤務態度が不真面目?
遅刻が多いので注意をしたら不本意な顔をされてしまった、という声を聞きます。これは日本企業の「暗黙の了解」が外国籍社員にとって非常にわかりにくいことが理由です。「始業時間は9時」の場合、日本人にとっては「数分前にはデスクについて9時ちょうどに仕事をはじめる」が暗黙の了解ですが、外国籍は「9時に会社の敷地に入っていればよい」と考えがちです。そのため「9時ちょうどに会社に到着したのに遅刻だと言われた。納得がいかない」と不満を持つようになるのです。
【解決策】社内規定は英語で明文化し、入社前に口頭でも説明しましょう。社内規定に書かれていないルールはルールではないと、日本人社員にも理解してもらうようにしましょう。
ポイントと解決策
- 契約以外の仕事をまかせる可能性がある場合は、事前に説明しメリットを理解してもらう
- ポテンシャル採用の場合は、採用時にメリットとデメリットを説明し承諾してもらう
- 「できる」の内容を明確にする
- 「暗黙の了解」を無くし、社内規定は英語で明文化する
いかがでしたか?私の連載は今回でいったん終了ですが、記事を読んで外国籍派遣社員を活用してもらえるとうれしい限りです。ご質問などがありましたら、ご遠慮なくメールなどでお知らせください。
またお目にかかれる日を楽しみにしています。
外国籍のエンジニアの採用に難しそうと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、サンウェルのサポートチームが採用から来日、入社までを全面的にサポートいたしますので、御社はエンジニアの選考のみに専念していただけます。エンジニアの不足、採用にお困りの企業の方はぜひ一度お気軽にお問い合わせ下さい。