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日本における外国人受け入れ制度とは?技能実習や特定技能、高度人材について解説

日本における外国人受け入れ制度とは?技能実習や特定技能、高度人材について解説

外国人材の活用を検討しているものの、技能実習や特定技能、高度人材など受け入れ制度の種類とその違いがよくわからないという方は多いでしょう。それぞれ目的や受け入れ条件が異なるため、外国人材を採用するなら必ず押さえておきたいポイントです。

本記事では、日本における外国人材の主な受け入れ制度についてご紹介します。あわせて受け入れ企業にとっての課題も解説するので、外国人材の活用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

日本における主な外国人受け入れ制度

日本における外国人の在留資格のうち、就労可能なものは14種類です。なかでも、企業が外国人材を活用する際に利用したい制度としては、以下の3つが挙げられます。

・技能実習
・特定技能
・高度人材

それぞれの制度の目的や仕組みを解説します。

技能実習

技能実習制度は、「我が国で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与すること」を目的として1993年に創設されました。

引用元:JITCO「外国人技能実習制度とは」

したがって、技能実習は労働力の確保を目的とした制度ではありません。

技能実習生の在留期間には制限があり、最長で5年です。ただし、入国1年目の1号から入国2・3年目の2号、さらに入国4・5年目の3号へと移行するには、それぞれ所定の試験に合格する必要があります。

技能実習には、企業等が主体となって受け入れる「企業単独型」、事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体が主体となって受け入れる「団体監理型」の2種類があります。しかし、2021年末時点では「団体監理型」が98.6%と大半を占めているのが実態です。

◎特定技能

特定技能制度は、「国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れること」を目的として2019年に新設されました。

引用元:JITCO「在留資格「特定技能」とは」

https://www.jitco.or.jp/ja/skill/

技能実習と異なり、日本国内で不足している労働力の確保が目的となっています。対象の産業分野は、以下の12種類です。

①介護
②ビルクリーニング
③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
④建設
⑤造船・舶用工業
⑥自動車整備
⑦航空
⑧宿泊
⑨農業
⑩漁業
⑪飲食料品製造業
⑫外食業

ただし、特定技能には1号と2号の2種類があるうち、「①介護」は2号の対象外となっています。「相当程度の知識又は経験」を求められる特定技能1号に対し、特定技能2号に求められるのは「熟練した技能」となっており、より高度な資格です。

特定技能2号は、要件を満たせば家族の帯同も認められるなど外国人材にとっても恩恵が大きい資格です。ただし、2022年に初めての取得者が誕生したばかりであり、本格的な普及はまだこれからだといえます。

高度人材

高度人材制度は、日本の産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人と切磋琢磨することで労働市場を発展させるような人材の確保を目的とした制度です。専門性の高さを証明するため、学歴や職歴、年収、年齢などを評価するポイント制によって資格の取得可否が決まります。

高度人材には、高度専門職1号と高度専門職2号の2種類があります。1号の在留期間は5年、2号の在留期間は無期限となっており、外国人材に長く活躍してもらいたい企業にとってはぜひ利用したい制度です。

高度専門職1号には、以下の通り「イ・ロ・ハ」の3種類があります。企業がエンジニアなどの技術者を採用する場合には、高度専門職1号(ロ)の取得を目指すことになります。

・高度専門職1号(イ):高度学術研究活動(大学教授、科学者など)
・高度専門職1号(ロ):高度専門・技術活動(エンジニアなど)
・高度専門職1号(ハ):高度経営・管理活動(企業経営者など)

高度人材は、通常の在留資格と異なり複合的な在留活動が許容されることからも、日本での柔軟な働き方を可能にする資格だといえます。

関連記事:外国人採用における「高度人材」とは|申請方法や必要書類を解説 

日本企業が外国人材を受け入れるうえでの課題

外国人材の受け入れにあたっては、以下のような対策が必要になります。

・円滑なコミュニケーションの実現
・生活面のサポート
・地域社会との関係構築

それぞれの内容や対策を解説します。

円滑なコミュニケーションの実現

外国人材の受け入れにあたって、コミュニケーション面での準備が必要な企業は多いでしょう。

日本語での指示や連絡がうまく伝わらなければ、業務の進行や効率に悪影響が出てしまいます。また、同じ目標に向けて協力するメンバーとして、企業としての方針や理念も正しく理解してもらう必要があります。

多くの日本企業にとって、全従業員に英語や外国人材の出身国での言葉でのコミュニケーションを求めるのは難しいでしょう。そのため、一定の日本語力を持つ外国人材の採用が不可欠だといえます。

JLPT(日本語能力試験)の結果や面接での受け答えなどから、必要な日本語能力を持つ人材かどうか見極めましょう。

関連記事:外国人採用において日本語能力をチェックする方法とは|目安レベルも解説 

生活面のサポート

日本での生活に慣れていない外国人材の場合、日常生活で不便を感じる場面があります。そのため、外国人材を受け入れる企業には、安心して働ける環境を作るため住居手配などのサポートも求められます。

ビザの取得や役所への届け出などを含め、企業側が丁寧に説明・サポートすることで外国人材は安心して働くことが可能になります。

手続き面に不安を感じる場合は、まずは外国人派遣を得意とする人材派遣サービスなどを利用するのも1つの手です。スムーズに手続きを終えることで、企業にとっても外国人材にとっても本来の目的である「業務上のパフォーマンス」に集中できるでしょう。

地域社会との関係構築

外国人材が職場近くに住むことが多い場合は、地元社会との交流も大切です。

文化や言語、生活習慣などの違いから、近隣住民とのコミュニケーションが進まないケースもあります。

そのため企業側としては、雇用している外国人材に対し、地域コミュニティとの関係を取り持ち、イベントや活動への参加を促すという方法が考えられます。また、企業として地域でのボランティア活動やイベントを企画し、外国人材に参加してもらうという方法もあるでしょう。

外国人材と地域住民が触れ合う機会を作ることで、相互理解が深まり、誤解や偏見の防止につなげられます。CSR(企業の社会的責任)の重要性が高まるなか、地域社会との関係構築は企業にとってもポジティブな影響をもたらすはずです。

●まとめ

本記事では、日本における外国人材の主な受け入れ制度についてご紹介しました。外国人材の活用を検討している企業にとっては、技能実習・特定技能・高度人材の3つは特に押さえておきたい制度です。

今後の社会では、単なる労働力としてではなく、自社だけでなく日本経済全体にとってプラスをもたらすような外国人材の活用が増えてくるでしょう。エンジニアなど優秀な「高度人材」を確保できれば、企業の成長を加速させてくれるはずです。

しかし、外国人材の受け入れにあたってはコミュニケーション面や生活面などの課題もあります。「外国人材の採用はハードルが高そうだ」と感じるなら、まずは外国人派遣を得意とする人材サービスを利用するというのも1つの手です。

サンウェルでは高度なスキルを持つ外国籍エンジニアの紹介・派遣とともに、ビザ取得や住居手配など採用、来日に伴う全面的なサポートを提供していますので、お客様企業はエンジニアの採用のみに集中していただけます。外国籍エンジニアをお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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