国籍から見る日本で活躍している外国人の特徴|採用動向と今後の課題

 

日本は年々少子高齢化が進んでおり、国内の人材だけでは労働力を補えない状況になっています。そのため、外国人労働者を積極的に採用しており、外国人労働者の数は年々増えています。日本ではどのような外国人が活躍しているのか、日本で働いている外国人の特徴を国籍別にまとめました。就業状況や外国人雇用における課題についても紹介します。

 

日本における外国人の就業状況

 

外国人労働者の数は年々増えており、現在は146万人もの外国人が日本で働いています。外国人労働者の就業状況を業種別に見てみると最も多いのは製造業で約43万人と圧倒的な数字となっており、卸売業、小売業、宿泊業、サービス業が約18万人、建設業、教育学習支援事業が約6万8千人、情報通信業は約5万7千人となっています。

 

国籍別に外国人の就業状況を見ていくと、外国人労働者が最も多く働いている製造業ではベトナム人が最も多く、次いで中国人となっています。一方製造業以外の産業に目を向けてみると、情報通信業、卸売業、小売業、宿泊業、飲食サービス業において中国国籍の方が最も多くなっています。産業問わず日本で働く外国人の割合は中国国籍の方が多い傾向にあることがわかります。

中国(香港等を含む) 27,088
韓国 8,679
アメリカ 2,113
ベトナム 3,611
フィリピン 1,673
ブラジル 868
イギリス 733
ネパール 471
インドネシア 455
ペルー 295

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03337.html)

 

外国人エンジニアが就業先に日本を選択する理由

 

先ほど紹介したようにアジア圏をはじめアメリカやイギリスなど多様な国から、日本へ労働者が集まっています。母国を離れわざわざ日本での就職を選択する背景には、どのような理由があるのでしょうか

 

・キャリアップのため

日本はITの先進国であり、技術力の高い現場で仕事をしたいという考えから日本にくる外国人エンジニアも多くなっています

 

また、イギリスなどでは小学校の頃からプログラミング教育が行われており、非常に高いスキルを有している外国人エンジニアも数多くいます。自分のスキルを活かしてキャリアの幅を広げるために、日本へやってくる外国人エンジニアもいます。

 

・給与が良いため

日本の労働環境に憧れて、日本での就職を希望する外国人エンジニアも少なくありません。日本におけるエンジニアの平均年収は約460万円となっていますが、アジア圏の中では高収入の部類に入ります。日本にはアジア圏から外国人エンジニアがたくさん来ていますが、母国よりも多くの収入を見込めるという点がモチベーションとなり日本での就業を選択する人も珍しくありません。

 

「外国人労働者=安価で労働力を補える」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、適正な給与設定をしなければ外国人エンジニアに選ばれる企業にはなれません。優秀な外国人エンジニアを採用するためには、スキルに見合った適正な待遇を用意することが重要となります。

 

・生活環境が整っているため

労働環境だけでなく生活環境が整っているのも、日本で働く魅力の一つです。世界では犯罪が頻発する国も少なくない中、日本は非常に治安がよく生活するには最適です。交通機関や公共施設も整備されており、安心して暮らせる環境で働きたいと日本での就職を選択する外国人エンジニアも多くなっています。

 

・労働環境を求めて

失業率が高く自国で働く環境がないため、日本にやってくる外国人エンジニアも多くいます。韓国やベトナムなどでは失業率が高く、大学を卒業しても自国ではなかなか就職先を見つけられないこともあります。日本ではIT業界は慢性的な人手不足の状態が続いており、スキルさえ身につけていれば就業できるチャンスは多いにあるため就職先として日本を選択することもあります。

 

今後の外国人採用動向

 

日本は少子高齢化の波が止まらず、今後も労働力不足が改善されることは見込みにくくなっています。そのため、今後も労働力を補うために外国人を採用する動きは広がっていくことでしょう。

 

・日本での労働者は中国国籍が主流だがベトナム国籍も徐々に増加

 

日本で働いている外国人を国籍別で見てみると業種を問わず中国人が多くなっていますが、中国は経済発展を遂げてきており自国で働く人も多くなってきています。そんな中、日本での労働者が増えてきているのがベトナムです。

 

ベトナム国籍の労働者が増えている背景には、ベトナムの失業率の高さがあります。特に問題なのが若年層の失業率の高さで、ベトナム全体の失業率が2%に対して若年層の失業率は7%となっています。そのため、仕事を求めて国外へ出る人も多くなっており、日本でも多くのベトナム国籍の方が働いているのです。

 

・課題の多い日本での労働環境

 

しかし、ベトナムからの働き手は増えてはいるものの、入社後の定着率に関しては安定しているとは言えません。特にベトナム人の失踪の多さは一つの問題となっています。失踪の理由は必ずしもベトナム人に原因があるわけではなく、劣悪な労働環境も問題となっており企業の不正行為も多数報告されています。

 

また、賃金も一つの問題となっています。ベトナム人が日本で技能実習生として働く場合、送り出し機関に多額のお金を払い日本へやってきます。送り出し機関は日本で働くための研修や面接調整、渡航の準備を行いますが、実質、費用のほとんどは本人負担となっています。送り出し機関にお金を支払うために、借金をしている人も多くいます。それでも、日本で働けば高収入を得られると夢を持ってやってきますが、実際は思ったほど稼げず借金を返すのに精一杯という状態に陥ることも珍しくありません。

 

技能実習生は自らの意思で就業先の変更ができないため、より良い労働環境を求める、あるいは現状に耐えられなくなり失踪してしまうケースが多くなっています。外国人労働者に日本で長く働き続けてもらうためには、労働環境の整備も一つの課題となっています。

 

まとめ

日本は少子高齢化により労働力不足が問題となっており、人手を補うために積極的に外国人労働者を採用しています。外国人労働者もキャリアアップや整った労働環境での就業など、日本での労働に魅力を感じている人も多くいます。双方の利害関係がマッチしていることもあり、外国人労働者の数は年々増加の一途をたどっています。

 

ただし、定着率に関しては課題も残っています。企業によっては劣悪な労働環境を敷いているところもあり、不正を働いた企業は技能実習生の受け入れができなくなるなど対策も講じられています。また、賃金に関しても高収入を求めて日本へやってくる人も多いため、待遇が良くないと貴重な労働力を他国に取られてしまう可能性もあります。

 

今まで日本の労働市場で圧倒的な数を占めていた中国人の割合は、中国の経済発展とともに減少傾向を見せており定着率を高める労働環境づくりは今後の大きな課題となります。外国人労働者に活躍してもらうためには、受け入れ態勢を広げるだけでなく労働環境や待遇の整備も外国人労働者を雇用するうえで重要なポイントとなります。