2023年インド見聞記(第4回)|日本のラーメンがインドで流行?
サンウェルでアジアビジネスのコンサルタントを務める渡辺千晶が、新型コロナウィルス対策が緩和されてから、はじめてインド出張に行ってきました。そこで出会った「今のインド」をお伝えします。
日本のラーメンがインドで流行?
デリーで日本のアニメファンと話をした時に「最近、インドでもラーメンが流行っています。この前スーパーで日本の即席麺を買って初めて食べました。麺の色は白くてまっすぐで、アニメで見る黄色で曲がった麺とは違いましたが」と言われました。
その言葉に違和感を覚えて彼が麺を買ったというデリー郊外の高級スーパーに行ってみたところ、確かに目立つ位置に「ラーメン」がずらりと並んでいます。しかしどの麺も確かに白く、どうやら「素麺」や「米麺」のよう。パッケージを見ると中国やベトナムの商品でしたが、店員さんは「このラーメンは日本のよ。売れてるわよ!」と薦めてくれ、これが日本のラーメンだと信じ切っています。おそらくお客さんもそうなのでしょう。
日本のラーメンは世界中で大人気ですが、それに興味を持ったインド人が最初に食べるラーメンが、はたして「別モノ」で良いのかと考えこんでしまいました。インドにおける即席麺市場は共働きの増加やコロナ禍による買いだめ志向の強化を追い風に、2023年の18億3,892万米ドルから2028年には34億9,280万米ドルに成長し、年平均成長率は13.69%になると予測されています。メーカーとしてはネッスルのMaggiが60%の市場シェアをとり、日清のTop Ramenなどがそれに続いています。
そのためアニメなどを通じてラーメンに興味を持ったインド人にその味を体験してもらうためにも、日本で販売されている即席麺を買える機会が増えれば、それがメーカーや味のファンになり、日本が観光や留学、仕事先としての候補になるきっかけるになるのではないでしょうか。
デリーの「すき家」ではチキンラーメンを300ルピー(約550円)のお手頃価格で提供しており、評判は上々のようです。来日インド人にもラーメンファンは多いようですし、近い将来、インドのスーパーに日本の即席麵がずらりと並ぶ風景が見られたらと思います。
参考:
Mordor Intelligence.
INSTANT NOODLES MARKET IN INDIA SIZE & SHARE ANALYSIS – GROWTH TRENDS & FORECASTS (2023 – 2028)
<執筆者プロフィール>
サンウェル 社長室 コンサルティング事業部 部長 渡辺千晶
インド専門の調査コンサルティング会社出身。インドをはじめとするアジア諸国におけるコンサルティング、進出セミナー、駐在者への研修などを担当。
インタビュー記事:https://sunwells.com/recruit/people/watanabe/
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