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外国人採用で必要な手続きとは|入社前・入社後に分けて解説

外国人採用で必要な手続きとは|入社前・入社後に分けて解説

外国人社員の採用にあたり、注意したいのが雇用に必要な手続きの内容や期間です。余裕を持って準備しておかなければ、当該社員の出身国または日本での手続きが間に合わないといった事態になりかねません。

本記事では、外国人採用で必要な手続きを入社前・入社後に分けてご紹介します。外国人材の活用を検討している経営者・企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

外国人採用でまずやるべきこと

外国人材の採用を検討するうえで、まず必要なのが「居住地」と「在留資格」の確認です。就労の可否や手続き内容に関わるため、チェックすべきポイントを押さえておきましょう。

居住地の確認

採用予定の外国出身者が日本にすでに居住しているかどうかで、手続き内容は大きく異なります。

すでに日本に居住している場合は、在留資格を保有していることになります。在留資格の内容確認や更新手続きなどが必要になるため、後述のポイントをチェックしましょう。

一方、現時点で外国に居住している場合、在留資格や就労ビザの申請が必要となります。内定後に就労ビザの取得が不可となった場合、採用にかかった工数がムダになってしまううえ、当該外国出身者との間にトラブルが起こる可能性もあります。

業務に必要な就労ビザの種類を確認し、取得できる可能性の高い外国人材かどうか見極めることが重要です。

在留資格の確認

在留資格とは、外国出身者が日本に滞在するための資格であり、活動内容によって種類が分かれています。すでに日本に居住している外国人材を採用する場合、まず現行の在留資格で業務に必要な就労ビザを取得できるかどうか確認しましょう。

在留資格のなかでもっとも重要なのは、「就労制限の有無」の欄です。「就労不可」となっている場合は、原則雇用が不可となりますが、裏面の「資格外活動許可欄」の内容に合致する業務であれば雇用が可能です。 また、「指定書により指定された就労活動のみ可」などと就労制限の記載がある場合は、採用後に予定している業務内容が許可されているかどうか確認しましょう。

外国人採用の手続き【入社前編】

外国出身者の採用を進める場合、入社前には以下2つの手続きが必要です。

・契約書の作成および締結
・就労ビザの申請および確認

順番に見ていきましょう。

契約書の作成および締結

外国人出身者を採用する際に重要なのが、契約書の作成および締結です。

労働基準法では、人材の採用にあたって賃金や就業の場所、労働時間といった労働の条件を書面で通知することが義務付けられています。そのため、労働条件通知書または雇用契約書の作成が必要です。

労働条件通知書が雇用主から従業員に労働条件を通知する文書である一方、雇用契約書は労使間の合意にもとづいて締結されるものです。

日本人と外国人ではビジネスの慣習が異なるため、一方的な通知では十分な理解を得られないケースもあるでしょう。外国人社員とのトラブルを避けるためには、双方の合意にもとづく雇用契約書の締結が望ましいといえます。

また外国人社員が日本語が苦手なケースもありますので、英語の契約書の作成もお勧めします。英文契約書は行政書士などにひな型を作成してもらうとさらに安心です。

就労ビザの申請および確認

就労ビザについては、採用予定の外国出身者が日本国内に居住しているかどうかで手続きが異なります。

すでに日本国内に居住している外国出身者を採用する場合、取得済みのビザの種類と有効期限を確認しましょう。採用後の就労内容や雇用期間と照らし合わせ、問題がないか確認しておくことが大切です。現在の就労ビザで認定されている職種から変更となる場合、在留資格変更許可申請が必要となります。

一方、海外に居住している外国人を採用する場合、在留資格および就労ビザの新規申請が必要です。

まず、採用企業側で管轄の地方出入国在留管理官署に在留資格認定証明書を申請します。在留資格認定証明書が発行されたら、内定者は自身の居住国の日本大使館にて就労ビザを申請します。

就労ビザの申請には一定の期間、場合によっては数カ月を要するため、勤務開始に支障が出ないよう余裕を持ったスケジュールを組んでおきましょう。

外国人採用の手続き【入社後編】

外国人社員の入社後には、以下3つの手続きが必要です。

・ハローワークへの届出
・在留資格の更新手続き
・社会保険の加入手続き

こちらも順番に見ていきましょう。

ハローワークへの届出

外国人の雇用状況は、ハローワークへの届出が必要です。

具体的には、「外国人雇用状況届出書」を提出する必要があります。ただし、採用した外国人社員が雇用保険に加入する場合は、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出することで外国人雇用状況の届出を行ったとみなされます。

外国人の雇用状況については、離職時にも届出が必要になるため注意しましょう。

在留資格の更新手続き

すでに在留資格を保有している外国出身者を採用する場合は、更新手続きが漏れないよう注意が必要です。

在留期間を過ぎた状態での雇用は、不法就労助長の罪に問われる可能性があります。雇用している外国出身者の在留期間を常に把握し、適切なタイミングで更新するよう促していく必要があります。

6ヶ月以上の在留期間を有する資格保有者の場合、更新手続きは期間満了日の3ヶ月前から可能です。更新には一定の期間を要するため、更新可能なタイミングになったら早急に手続きを進めるよう案内しましょう。

◎社会保険の加入手続き

外国出身者であっても、日本人社員と同様に社会保険への加入が必要となります。具体的には、労災保険や雇用保険、健康保険、年金保険などが挙げられます。

ただし、労働時間や給与などの条件によって加入の要否が異なる点には注意が必要です。自社の環境と採用する外国人の労働条件をもとに、必要な手続きを整理しておきましょう。

●外国人採用の手続き【入社後編】

最後に、外国人の採用を円滑に進めるコツとして、以下3つのポイントをご紹介します。

・在留資格と業務内容を精査する
・就労ビザ発行までの期間に注意する
・同一労働同一賃金や最低賃金を遵守する

在留資格と業務内容を精査する

前述の通り、在留資格には就労可能な業務に関する制限が記載されています。担当予定の業務を行うにはどの在留資格が必要なのか、採用予定の外国出身者はその在留資格を保有しているのか、または取得・変更が可能なのか、具体的な選考に入る前によく精査しておきましょう。

就労ビザ発行までの期間に注意する

就労ビザの発行には一定の期間を要します。目安は1~3ヶ月程度と考えられていますが、実際にかかる期間はケースバイケースです。専門家のアドバイスを参考に、余裕を持ったスケジュールで手続きを進めましょう。

同一労働同一賃金や最低賃金を遵守する

外国人を雇用する際にも、日本人と同様に同一労働同一賃金や最低賃金を遵守する必要があります。これらの原則は国籍によって変わるものではありません。

国籍や人種によって差別的な待遇をすることなく、公平な待遇・労働環境を用意しましょう。

●まとめ

本記事では、外国人採用で必要な手続きを入社前・入社後に分けてご紹介しました。

少子高齢化による生産年齢人口の減少に伴い、注目度の高まっている外国人採用ですが、就労ビザの手配や雇用契約書による合意、社会保険の手配など、準備すべきことは少なくありません。「外国人の採用はハードルが高そうだ」と感じた方は、外国人派遣を得意とする人材サービスを利用するのも1つの手です。

サンウェルでは高度なスキルを持つ外国籍エンジニアの紹介・派遣とともに、ビザ取得や住居手配など採用、来日に伴う全面的なサポートを提供していますので、お客様企業はエンジニアの採用のみに集中していただけます。外国籍エンジニアをお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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