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2023年インド見聞記(第8回) | ますますホットに コーヒー大国インド

2023年インド見聞記(第8回) | ますますホットに コーヒー大国インド

アジア・インド進出コンサルタントとして活躍している渡辺千晶がインド出張での経験を通じて、魅力的な「今のインド」についてお伝えします。

ますますホットに コーヒー大国インド

インドの飲み物といえば「チャイ」のイメージが強いですが、実はインドにおける紅茶の歴史はさほど古くはありません。英国では1840年のアヘン戦争以降、中国産茶葉の輸入が難しくなってきたため、英国政府が新たな産地を求めてインド北部で茶の栽培をはじめたのが1845年ごろ。その一方、すでに1600年代にはインドでコーヒーが栽培されていたそうで、実はコーヒーの方が歴史は長いのですね。

涼しい気候を好む紅茶はダージリンなどの北の高地、亜熱帯気候を好むコーヒーはカルナタカ州やケララ州といった南の山地で栽培されていることから、インドの南部ではコーヒーが日常的に飲まれており、チェンナイやケララといった街にではミルクと砂糖をたっぷり入れて泡を立てたインド式コーヒーの屋台が並んでいます。インドのコーヒー豆生産量は世界9位(2021年)と、コーヒー産地として知られるグアテマラなどを上回っています。

Samsungのショールームとコラボしたスターバックス(ベンガルール市内)

スターバックスの進出などを契機に、90年代からインド発のコーヒーチェーンも登場しました。1996年創業のCafé Coffee Day(通称CCD)はインド国内に900店舗以上を展開し、海外にも進出しています。赤と黒をベースにした店内にはゆったりくつろげるソファーやWi-Fiがあり、リモートオフィス代わりに使う人たちも。CCDのコーヒーは110ルピーからとスターバックスの半額程度なため、スタバはインド市場で苦戦しているという報道も。同社も低価格帯商品やチャイメニューを発売するなど、インド消費者の心をつかむ戦略を打ち出しています。

最近のインドではコーヒーそのものの味を楽しみたい、インド産コーヒーを守りたいという愛好家の輪が広がっており、BLUE TOKAIに代表されるスペシャルティコーヒーの会社も増えています。また気軽に本格コーヒーが楽しめるコーヒーバッグや、ボトル入りアイスコーヒーなど販売するSleepy Owlのような新興メーカーも登場し、インドのコーヒー市場はますますホットになっています。インドへ行ったら、インド産コーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

泡立てコーヒーと食パンの朝食(ムンバイにて)

<執筆者プロフィール
サンウェル 社長室 コンサルティング事業部 部長 渡辺千晶
インド専門の調査コンサルティング会社出身。インドをはじめとするアジア諸国におけるコンサルティング、進出セミナー、駐在者への研修などを担当。
インタビュー記事:https://sunwells.com/recruit/people/watanabe/


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