サンウェルナレッジ

エンジニア活用・採用・育成のコツ

サンウェルコラム

外国人採用における確認事項とは|各選考プロセスのポイントを解説

外国人採用における確認事項とは|各選考プロセスのポイントを解説

外国人材の採用には、日本人の雇用とは異なる確認事項が複数存在します。書類選考や面接、内定のタイミングで確認が漏れてしまうと、スムーズな就業に影響が出てしまうこともあります。また、在留資格に合致しない業務に従事させた場合、違法な就労とみなされる可能性もあります。

本記事では、外国人採用における確認事項をプロセス別にまとめて解説します。外国人材の採用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

外国人採用の「書類選考」における確認事項

書類選考の時点では、以下の4点を確認しましょう。

・在留資格
・日本語能力
・履歴書の内容
・兵役の有無

順番に詳しく解説します。

在留資格

外国人材の採用において特に注意すべきなのが、在留資格の内容や期限です。

在留資格には29種類あり、それぞれ就労の可否や範囲が異なります。例えば、エンジニアの場合は「技術・人文知識・国際業務」や「高度専門職」の在留資格が必要です。

予定している業務に必要な在留資格の種類を確認し、採用予定の人材が持つ在留資格と合致しているか確認しましょう。日本国内での転職であれば、就労資格証明書を申請することで問題なく勤務できるか確認が可能です。

現在外国に住んでいる場合や、日本に留学している場合には、新たに就労ビザを取得する必要があります。学業や過去のキャリアをもとに、外国人材が持つ専門性と業務内容がマッチしているか確認しましょう。

関連記事:

外国人採用で必要な手続きとは|入社前・入社後に分けて解説 

◎日本語能力

外国人材の日本語能力も事前にチェックしておきたいポイントです。一定の日本語能力がない場合、同僚や取引先とのコミュニケーション、指示の理解に支障をきたす可能性があります。

書類選考の時点では、日本語能力試験(JLPT)のレベルを確認するのがよいでしょう。N1からN5の5つのレベルに分かれており、日本語能力を客観的に判断できます。

ただし、JLPTでは「話す」能力は測定されないため注意が必要です。JLPTのレベルを参考にしながらも、面接での受け答えを通じて実際のコミュニケーション力も確認することが大切です。

例えば、優秀なエンジニアが多いインド人の場合、日本語の会話は得意でも試験は苦手というケースが少なくありません。実際の業務に支障がない人材をJLPTのレベルだけで不採用としてしまうのはもったいないといえます。

書類選考の時点では、あくまで目安として確認しておくとよいでしょう。

関連記事:

外国人採用において日本語能力をチェックする方法とは|目安レベルも解説 

履歴書の内容

日本と海外では履歴書の内容が異なるため、必要な情報が記載されているかしっかり確認しましょう。

例えば、一部の国では顔写真や年齢、性別、生年月日などを記入する文化がありません。また、大学の在籍年数などが日本と異なる場合もあります。

採用判断に必要な情報が記載されているか確認し、漏れがある場合は面接の際に確認できるようメモを残しておくとよいでしょう。ただし、年齢や性別を理由とした就職差別とみなされないよう注意が必要です。

兵役の有無

外国人材の出身国によっては、兵役によって長期休職が必要なケースもあります。採用直後に兵役で長期間不在となれば、人材配置に不都合が生じる可能性は高くなります。

兵役があるかどうか、すでに終えているかどうかは書類選考や面接で確認しておきたいポイントです。

外国人採用の「書類選考」における確認事項

外国人材を面接する際には、以下3つのポイントを確認しましょう。

・日本語の運用能力
・学生時代の労働時間
・空白期間の活動内容

順番に詳しく解説します。

◎日本語の運用能力

前述の通り、外国人材の日本語能力を見るうえでは資格の有無など書類選考で確認できるものに加え、実際の面接でのコミュニケーション力を確認することが大切です。

日本で働く理由や今後のキャリアプランなど、さまざまな質問を投げかけるなかで実務に対応できる日本語能力を有しているか確認しましょう。日本語能力試験(JLPT)の結果が基準に達していなくても、漢字などが苦手なだけでコミュニケーション上は問題がないというケースもあります。

通訳なしで雇用するのであれば、同僚や取引先との意思疎通に問題がないか確認しておきましょう。

学生時代の労働時間

対象の外国人材が留学生として日本に滞在しており、採用後に就労ビザを取得する予定である場合、学生時代の労働時間などに問題がないか確認しておくことも大切です。

留学生の場合、アルバイトの労働時間は週28時間以内(夏休みなどの長期休暇中は週40時間以内)と定められています。法律を遵守できていなかった場合、その後の就労ビザ取得などに支障をきたす可能性があります。採用選考の過程で問題がないか確認しておくのがよいでしょう。

空白期間の活動内容

前職の退職後に空白期間がある場合も要注意です。日本で業務に従事するために在留資格や就労ビザを取得したにもかかわらず、就労せずに過ごしていた期間があると判明すれば資格の取り消しなどにつながりかねません。

履歴書の学歴・経歴を確認し、不明瞭な部分があれば面接のなかで確認するのがよいでしょう。

外国人に「内定」を出す際の確認事項

書類選考や面接を終え、対象の外国人材に内定を出す際には以下2点を確認しましょう。

・雇用条件への同意
・勤務開始までのスケジュール

外国人材の採用は、最後まで気を抜かずに段取りよく進める必要があります。

雇用条件への同意

外国人材を採用する際には、給与や労働条件などの雇用条件を明示し、確実に同意を取り付けておきましょう。勤務開始後に認識のずれが発覚すれば、せっかく労力をかけて採用した外国人材がすぐに離職してしまうかもしれません。

日本人相手であれば、暗黙の了解でなんとなく伝わることでも、外国人材相手であれば細かく明文化し、伝えることが大切です。例えば、日本人であれば残業の頻度や時間が多少想定を上回っていても対応するかもしれませんが、外国人材にとっては「説明された雇用条件と異なる」ことは大きな問題になりえます。

雇用契約書を作成する際には、日本語版だけでなく採用予定の外国人が理解できる言語でも作成するなど、ミスコミュニケーションを防ぐための工夫が必要です。

勤務開始までのスケジュール

採用予定の外国人材の状態によって、勤務開始までにかかる工程・日数は大きく異なります。

現在外国に居住している場合は、在留資格や就労ビザの取得が必要です。

対象の外国人材が業務に必要な専門性を備えていることを確認のうえ、まずは企業側で地方出入国在留管理官署に在留資格認定証明書(COE)を申請する必要があります。在留資格認定証明書(COE)の発行後、居住国の日本大使館・領事館にて就労ビザを申請してもらいましょう。

すでに日本に居住している場合、手続きにかかる期間は比較的短く済むでしょう。

ただし、現在は留学生であるなど在留資格の変更や就労ビザの取得が必要になるケースもあります。また、すでに同様の業務に従事している場合であっても、前述の通り就労資格証明書を申請することで転職に問題がないか確認しておくべきです。

対象の外国人材の現状を踏まえ、無理のないスケジュールを組むことが大切です。

関連記事:

外国人採用で必要な手続きとは|入社前・入社後に分けて解説 

●まとめ

本記事では、外国人採用での確認事項を書類選考・面接・内定という3つのプロセスに分けて解説しました。

在留資格や日本語能力、兵役の有無など、外国人材特有の確認事項が複数存在します。各プロセスで確認が漏れないよう、流れを整理して外国人採用に取り組みましょう。

もし「外国人材の採用はハードルが高そうだ」と感じた場合は、外国人派遣を得意とする人材サービスを利用するのも1つの手です。

サンウェルでは高度なスキルを持つ外国籍エンジニアの紹介・派遣とともに、ビザ取得や住居手配など採用、来日に伴う全面的なサポートを提供していますので、お客様企業はエンジニアの採用のみに集中していただけます。外国籍エンジニアをお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

業界領域