外国人エンジニアの給与とは|相場額を把握し適切な金額設定を行おう

少子高齢化が進む中、人手不足を補うのに外国人エンジニアは非常に貴重な存在です。しかし、採用するとなるとどれほどの給与を支払えばよいのかわからず、頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。給与決定の参考となるように、職種別や国別、年齢別と様々な角度からエンジニアの平均年収を紹介します。給与交渉のコツや費用抑制のポイントも紹介するので、参考にしてください。

外国人エンジニアの給与相場

外国人エンジニアを採用する場合でも、給与に関しては日本人と同様の待遇を取らなければいけません。外国人だからといって不当に給与に差をつけることは法律で禁止されています。国籍ではなく、能力に応じて給与の決定を行ってください。エンジニアの平均年収について紹介するので、給与決定の参考にしてください。

・ソフト系平均年収

ソフト系業種 平均年収
プロジェクトマネージャー 733万円
コンサルタント、アナリスト、プリセールス 652万円
研究、テクニカルマーケティング、品質管理ほか 579万円
基盤・インフラ 575万円
ネットワーク設計・構築(LAN・Web系) 547万円
通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系) 543万円
パッケージソフト・ミドルウェア開発 512万円
システム開発(Web・オープン系) 512万円
社内SE 510万円
システム開発(汎用機系) 508万円
システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系) 490万円
運用、監視、テクニカルサポート、保守 477万円

出典:https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002284

上記の表を見てわかるように、ソフト系は職種によって年収に大きな開きがあります。最も高いのはプロジェクトマネージャーの733万円です。プロジェクトマネージャーという職種は、職種の年収格差が少ないのが大きな特徴です。Tech総研が実施した年収調査によると、プロジェクトマネージャーの最高年収は750万円、最低年収は700万円となっていました。

しかし、プロジェクトマネージャー以外の職種は職種内の年収格差が非常に大きくなっています。最も格差が大きいのはシステム開発(Web・オープン系)で最高年収1350万円に対し最低年収は150万円と1000万円以上の差があります。最も格差が少ない基盤・インフラでも300万円の格差ができています。

これほど格差が広がっている背景には、企業の規模により基本給に大きな違いがあるうえに成果主義により実力がストレートに給与に反映されていることも挙げられます。

・ハード系の平均年収

ハード系業種 平均年収
半導体設計 569万円
研究、特許、テクニカルマーケティングほか 563万円
セールスエンジニア、FAE 544万円
光学技術 541万円
製造技術 525万円
生産技術、プロセス開発 521万円
回路・システム設計 519万円
制御設計 518万円
機械・機構設計 511万円
素材、半導体素材、化成品管理 505万円
品質管理、製品評価、品質保証、生産管理 501万円
サービスエンジニア・FAE 494万円
運用、監視、テクニカルサポート、保守 350万円

出典:https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002284

ハード系の平均年収は最も高いものでも半導体設計の569万円となっており、ソフト系の職種に比べて低い金額となっています。ハード系の職種においても職種内の収入格差が大きくなっています。

生産技術、プロセス開発、サービスエンジニア、FAEは最高年収が1500万円、最低年収が200万円と1000万円以上の差があります。他にも品質管理、製品評価、品質保証、生産管理においても1000万円以上の収入格差生じています。なお、運用、監視、テクニカルサポート、保守においては最高年収、最低年収ともに350万円となっていました。

・国別に見るエンジニアの平均年収

同じエンジニアの仕事でも、どの国で仕事をするのかによって得られる年収は大きく変わります。国別の平均年収についても見ていきましょう。

平均年収
日本 450万円
アメリカ 900万円
オーストラリア、カナダ、イギリス 550万円〜600万円
シンガポール 370万円
中国 240万円

参考:http://itindustry-revenue.com/annualincome/country/

国別に平均年収を見てみると、最も高いのはアメリカで日本の平均年収の2倍の数字となっています。日本より平均年収の高いアメリカやカナダ、イギリスでは、エンジニアという職種が非常に評価される傾向にあり給与も高くなっています。

しかし、アメリカは完全実力主義を敷いており、実力がなければ高収入を手にすることができないだけでなく仕事を続けることも難しくなっています。実力のある人は企業に重宝され年収も上昇していきますが、実力がなければ解雇されるのは珍しいことではありません。日本では年功序列の評価体系を用いているため、一度入社すると簡単にはクビにはなりません。

アジアの地域ではエンジニアの平均年収は低額で、シンガポール、中国では日本の平均年収を下回っています。中国に至っては日本の1/2程度の金額となっています。

・年齢別平均年収

年代 平均年収
20代 368万円
30代 500万円
40代 600万円
50代 716万円

出典:https://doda.jp/guide/heikin/age/

年齢別の平均年収を見てみると、年齢が上がるにつれて年収はアップしています。50代の年収は20代の約2倍となっています。年功序列の評価が主流の日本では、経験がそのまま収入に反映されていることがわかります。

適切な金額で外国人エンジニアを採用するためのポイント

外国人エンジニアに関わらず人材を採用するときは、人件費を抑えるために少しでも安い給与で雇いたいと考えている企業も少なくないでしょう。採用時に給与を少しでも抑えるためのポイントを紹介します。

・給与の相場を意識して交渉を行う

高いスキルを所有している、あるいはエンジニアとしての経験が長いなど、自分の実績に自信がある外国人エンジニアは給与の希望額を高額提示してくる傾向にあります。

もちろん、外国人エンジニアのスキルや経験をしっかりと給与に反映することは大切ですが、実力に対してあまりにも提示額が高額な場合は相場額を示して交渉を行いましょう。

交渉時に大切なのはあくまで「相場額」で交渉を行うことです。給与を安く抑えようとしてあまりにも低い額を提示すると、外国人エンジニアは条件のいい企業を選択する可能性が高く優秀な人材を取り逃してしまうこともあります。

・語学力にも注目する

日本でエンジニアとして働くには、技術力だけでなく日本語の能力も必要となります。また、海外との取引が多い企業であれば、世界の共通言語である英語の能力も必要となるでしょう。

語学力の高い外国人エンジニアは給与相場が高くなっています。技術力だけでなく、語学力によっても給与の相場は変わってくるのです。

自社の業務内容をしっかりと考え、必要な語学力を持つ人材を採用しましょう。例えば、海外との取引がないのであれば、わざわざ英語を話せる高額な人材を採用する必要はありません。

給与交渉で外国人エンジニアに伝えておくべき3つのポイント

外国人エンジニアと給与交渉を行うときは、もちろん給与の額について話し合うことも大切です。しかし、外国人エンジニアに納得して働いてもらうためには、待遇や福利厚生など働く環境についても説明しておく必要があります。しっかりと説明を行うことで、ミスマッチを防ぐことができ定着率のアップにつながります。

・昇進・昇給について

実は外国人エンジニアの定着率は非常に悪く、入社してから3年以内に50%近くの人が転職の道を選択しています。将来の見通しがつかないというのも、外国人エンジニアが転職を選択する理由の一つとなっています。

外国人エンジニアに長期的に活躍してもらうためには、入社時の給与も非常に大切ですが入社後に昇給や昇進について明確に説明しておく必要があります。特に海外では成果主義による評価が主流であり、結果を出せば短期間で昇給や昇進を果たすケースも珍しくはありません。そのため、日本のように年功序列で昇進までに時間がかかる場合は見切りをつけれる場合もあります。

入社後にミスマッチが発覚し、早期退職につながらないよう昇進・昇給についても入社前に提示しておきましょう。

・業務内容を明確にする

母国を離れて日本へ働きにくる外国人エンジニアは、非常に高い向上心の持ち主が多くなっています。そのため、企業と外国人エンジニアで業務内容に対する認識にズレがあり、やりたい仕事につけないと外国人エンジニアのモチベーションは大きく下がってしまいます。入社後に外国人エンジニアに担当してほしいと考えている業務についても、改めて給与交渉の場で説明しておきましょう。

・福利厚生について

福利厚生も給与同様に、外国人エンジニアにとって大事なポイントです。海外では家族との時間を非常に大切にする傾向があります。そのため、仕事一色になり必要な時に休暇が取れない状態では、不満を覚え帰国したまま日本へ帰ってこないという事態にもなりかねません。トラブルが起きることがないよう、福利厚生についてもしっかりと説明をしておきましょう。

まとめ

外国人エンジニアの給与を適切に設定するには、まずは相場額を把握することが大切です。外国人エンジニアは希望給与額を高めに設定してくる傾向にあるので、相場額に基づき適切な金額となるよう給与の交渉を行いましょう。また、人件費を抑えるためにあまりにも安い金額を提示してしまうと、優秀な外国人エンジニアは条件の良い企業に流れ貴重な人材を逃す可能性もあるので注意してください。あくまで相場額を基準として、外国人エンジニアのスキルや経験年数、語学力などを加味し適切な給与設定を行いましょう。