外国人エンジニアを会社に定着させよう|採用課題から見る定着のポイントを紹介

近年、IT業界は少子高齢化の影響もあり、人材不足の状態に陥っています。国内の人材だけでは人手

が足らず外国人エンジニアを積極的に採用する動きが高まっており、外国人エンジニアは非常に貴重な存在となっています。しかし、文化や価値観の異なる外国人エンジニアの雇用は簡単ではなく、会社に定着しにくいという問題が、発生しています。ここでは、外国人エンジニアが定着しづらい原因や採用時によく起こる問題について紹介します。ぜひ参考にしてください。


外国人エンジニアの採用後の問題

パソコンを使う男性

文化や価値観などの違いにより起こる問題を紹介します。採用後に困ることがないように、発生しやすい問題を確認しておきましょう。


・マネジメントの問題

経済産業省が実施した「IT人材需給に関するWEBアンケート調査」によると、企業が外国籍IT人材を活用する際に最も課題に感じているのが「マネジメントの難しさ」でした。生まれ育った国が異なる日本人と外国人では、文化や価値観に相違が生まれるのは当然のことです。日本人と同じ感覚で仕事を任せてしまうと、思わぬトラブルに発展する恐れもあります。指示をするにしても細かいニュアンスが伝わらず、意思の疎通が取れないこともあります。仕事を円滑に進めるためには、社員をしっかりとマネジメントしていくことが大切です。しかし、文化も言語も価値観も異なる外国人エンジニアのマネジメントは容易ではありません。日本人エンジニアと同じ方法では上手くマネジメントできないケースもあるということを頭に入れておかなければいけません。


・宗教の違いによる問題

宗教の違いによるトラブルも、外国人エンジニアの採用後によく起こる問題です。信仰宗教によっては1日に複数回礼拝をする習慣があります。しかし、礼拝の度に仕事を抜けられては困るという企業も少なくないでしょう。宗教の習慣を認めるのか日本のルールに沿って仕事をしてもらうのか、事前に決めておかなければ後にトラブルに発展することもあります。他にも食事に関して厳しい宗教もあり、事前に把握しておかなければ接待などで食事をする際に支障が出ることも考えられます。仕事に支障が出ないよう、宗教上の習慣やルールを把握し対応を考えておく必要があります。


・日本慣習に馴染めない

日本では当たり前のことでも他の国では当たり前ではないことは数多くあり、日本独特のルールに外国人エンジニアが馴染めないこともあります。例えば、日本では非常に上下関係が厳しく上司の言うことは絶対という風潮がある企業も珍しくありませんが、海外では上下関係はあるものの日本に比べてフラットな関係で仕事をしているというケースもあります。また、日本では残業がある会社が多いですが、国によってはワークライフバランスを重視し残業はほとんどない国もあります。他にも日本では社員間の交流を深めるために定期的に飲み会が行われることもありますが、飲み会の習慣はないという国もあるなど国により異なります。日本の慣習を当たり前のように押しつけてしまうと、外国人エンジニアは苦痛に感じてしまう可能性もあるので注意が必要です。


外国人エンジニアが定着しにくい理由

パソコンを置いて話をする男女

会社と外国人エンジニアのミスマッチなどが原因で、会社に定着しないうちに退職の道を選ぶ外国人エンジニアは少なくありません。同様の理由で貴重な人材を逃してしまうことがないように、定着率が低い理由を確認しておきましょう。

・労働条件のミスマッチ

入社前に想像していた働き方と入社後の実際の働き方にミスマッチが生じ、退職に至るケースは少なくありません。働く上で労働条件を事前に確認し合うことは非常に大切です。仕事内容や勤務時間、給与などの労働条件については面接の段階でしっかり説明を行い、合意を得ておく必要があります。特に外国人エンジニアを相手に説明を行う場合は、言語の違いや細かいニュアンスがうまく伝わっておらず十分に労働条件が理解されていない可能性もあります。また、採用につなげようとして悪いことは伝えず良いことばかり伝えてしまうと、外国人エンジニアが入社後に大きなギャップを感じてしまうこともあるので注意が必要です。


・評価基準のミスマッチ

日本と海外では評価体系が大きく異なります。そのため、外国人エンジニアが日本の評価体制に馴染めず退職に至るというケースも少なくありません。日本では年功序列を採用している企業が多く、勤務経験を重ねて昇進をしていくのが一般的です。一方海外では成果で評価されるのが一般的で、年齢を問わず実力さえあれば早期に昇進することも珍しくありません。勤務年数が短いという理由だけで評価をしないと、外国人エンジニアは納得できず退職の道を選んでしまうこともあります。


日本企業が外国人エンジニア定着のためにできる対策

外国人エンジニアの採用・雇用では問題が発生することもあると紹介しましたが、しっかり対策を行えば問題の発生を防ぎ定着率アップにつなげることができます。外国人エンジニアをしっかり定着させるために、対策を確認していきましょう。


・面接でミスマッチを防ぐ

入社後にミスマッチが生じないように、面接の段階で会社や仕事のことをしっかり説明することは大切です。担当してもらう予定の仕事内容や労働時間、給与などの労働条件をはじめ、会社の概要など必要な情報は面接の段階でしっかりと伝えておきましょう。また、一方的に説明するだけでなく、しっかり理解できているのか確認することも大切です。特に異国の地で育った外国人エンジニアの場合は言語の違いや認識の違いにより、意図がきちんと理解できていない可能性もあります。また、仕事の厳しさについてもしっかりと説明し、厳しさを知った上でもエンジニアとして日本で働く覚悟があるのか面接の段階で見極めましょう。


・労働環境の整備

自国とは異なる文化や価値観をもつ日本で外国人エンジニアが快適に働けるようにするには、出身国の文化や価値観を尊重し労働環境を見直していく必要があります。日本では普通に行われている残業や交流を深めるための飲み会などを当たり前としない国もあり、日本の慣習に外国人エンジニアが戸惑ってしまうこともあります。また、信仰する宗教によっては日中に礼拝の時間を必要とする人もおり、仕事との折り合いをどうつけるのか考えていかなければいけません。外国人エンジニアの文化や価値観ばかりを尊重してしまうと日本人エンジニアが働きづらいと感じてしまう可能性もあるので、両国のバランスを見ながら社員が働きやすい労働環境を整えていく必要があります。


・評価体系を明確にする

実力主義の世界で育ってきた外国人エンジニアは、自分の評価にこだわる傾向にあります。成果をあげ評価を得ることをモチベーションに仕事をしている人もおり、評価基準が曖昧だとモチベーションの低下にもつながりかねません。評価に納得できないときは評価基準について尋ねてくることもあるので、なぜ今の評価に至ったのか成果を基に説明できるようにしておかなければいけません。曖昧な評価で外国人エンジニアに不信感を抱かれることがないよう、評価基準を明確にしておきましょう。


・サポート役の設置

異国の地で働くことは不安も多く、しっかり心身のケアをしてあげることも大切です。外国人エンジニアが不安や悩みを抱え仕事が辛いと感じることがないように、上司とは別に気軽に相談できるサポート役を立ててあげましょう。また、英語が話せる社員をサポート役に立て、言語の違いによるコミュニケーションに悩むことがないようケアしてあげる必要もあります。


まとめ

少子高齢化により国内の労働人口が減少していく中で、外国人エンジニアは人材不足を解消する方法の一つです。しかし、異なる文化や価値観をもつ外国人エンジニアの採用は、日本人の採用と同じように行っても成功しないこともあります。日本の労働体制や習慣を押しつけてしまうと、外国人エンジニアが働きづらさを感じ早期退職の道を選んでしまうこともあるので企業側でも事前準備が必要です。出身国の文化や価値観、信仰する宗教などを踏まえ、社員が働きやすい労働環境を作っていくことが外国人エンジニアを定着させる上では大切です。また、ストレスなく仕事ができるようサポート役を設置したり評価基準を明確にするなど上記で紹介した内容を参考に社内の受け入れ態勢を整え、外国人エンジニアの雇用を成功させてください。