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なぜエンジニア不足は解消されないの?エンジニア不足を解消するための対策とは

なぜエンジニア不足は解消されないの?エンジニア不足を解消するための対策とは

日本では長年にわたってエンジニア不足が囁かれています。なぜ、エンジニアは不足しているのか、今後エンジニア不足は解消されるのか、エンジニア不足の解消には何が必要なのか、今回はエンジニア不足の現状と対策方法を紹介します。

●エンジニア不足が解消されない本当の理由とは

エンジニア業界が人手不足の状態に陥っていることはご存知かと思いますが、原因までは詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。エンジニア不足の背景を知り、エンジニア業界を取り巻く状況を正しく理解していきましょう。

◎市場規模の拡大

IT業界は目覚ましい発展を遂げており、年々市場規模が拡大しています。業界を問わずIT技術を駆使したサービスを展開する企業が増え、エンジニアを必要としている企業が増えています。企業からのエンジニアに対する需要の高まりにエンジニアの供給が追いついておらず、エンジニア不足が解消されない状態となっています。

◎エンジニアの高齢化

エンジニアの高齢化も人材不足の大きな要因で、定年を迎えて退職していくエンジニアも少なくありません。特に基幹系システムエンジニアの不足は、高齢化が大きな要因だと言われています。

◎技術の進化スピードが速すぎる

IT技術の進化するスピードは非常に速く、技術を身につけたと思ったらすぐに新しい技術が生まれることも珍しくありません。また、IT技術の進歩するスピードは年々速くなっており、エンジニアの技術力が技術の進化スピードに追いつけないこともあります。そのため、企業が求めている技術力をもったエンジニアが少なく、採用がうまくいかないため人手不足が解消されない状態となっています。

◎ネガティブなイメージの定着によるIT業界離れの進行

エンジニアの仕事は残業が多く休みも取りづらいなど、ネガテイブなイメージが先行しており、情報系の学部を卒業してもIT業界に就職しない新卒も増えています。IT業界離れという言葉も生まれるほど、新卒採用・中途採用問わず、専門性の高い人材の確保が難しくなっています。

◎給与が安い

エンジニア職が懸念される要因として、給与の安さも問題となっています。エンジニアの仕事は決して楽な仕事ではありません。納期に合わせて仕事を完了させなければならず、システム障害など不測の事態が発生すればすぐに対応にあたらなければいけません。激務の割に日本のエンジニアの給与は安い傾向にあり、エンジニアを目指す人が少なくなっているのです。

●日本は年収が低すぎる?海外のエンジニア事情

エンジニア不足を招いている要因の一つにエンジニアの給与の低さがあると紹介しましたが、どれぐらい日本のエンジニアの年収は低いのでしょうか。海外のエンジニアとの比較をみていきましょう。経済産業省の調査による各国のIT人材の平均年収は、次のとおりとなっています。

  • アメリカ       1,157万円
  • 日本           598万円
  • インド          533万円
  • 韓国           498万円
  • 中国           354万円
  • タイ           195万円
  • インドネシア 192万

日本のIT人材の平均年収は598万円となっており、最も高いアメリカとは約2倍の差があります。アメリカにおける全産業の平均年収は500万円ほどとなっておりエンジニアの地位の高さが見て取れます。また、インドのエンジニアの平均年収は53万円と日本よりは低いものの全産業の平均年収と比較するとはるかに高くなっており、インドでもエンジニアの地位の高さが見て取れます。日本のエンジニアの平均年収は全産業の平均年収とそれほど変わりはなく、エンジニアは高収入を得られる職種とはなっていません。日本のエンジニアの給与が低い背景には、下請け構造の広がりがあります。下請け構造とは案件を受注した大手の元請け会社が中小企業に仕事を割り振り、仕事を受けた中小企業が零細企業にさらに仕事を割り振っていくというやり方を指します。下請け構造では元請け会社を頂点とするピラミッド構造が生まれ、下請けになる程案件の単価が安くなっていきます。そのため、社員に支払われる給与も自然と低くなってしまうのです。

2030年のエンジニア不足はどうなる?

●2030年はどうなる?エンジニア不足の未来

日本では長年エンジニア不足の状態が続いていますが、今後エンジニア不足は解消されるのでしょうか。経済産業省の試算によると、2030年時点では人材不足は解消されない見込みとなっています。人材の不足数は、エンジニアの需要の伸び率によって変わってきます。需要の伸びが約9%~3%の場合は約79万人が不足し、需要の伸びが約5%~2%の場合は約45万人の不足、需要の伸びが約1%の場合は約16万人が不足すると試算されています。需要の伸び率が最も低い1%に止まったとしても16万人もの人材が不足している状態となり、人材不足の解消は難しくなっています。

●エンジニア不足を解消する方法

エンジニア不足を解消するために、採用の対象を拡大することも検討してみましょう。外国人エンジニアや未経験の人材の中にも、有能な人材は数多くいます。また、労働者に選ばれる企業となるよう、労働環境を整えていくことも大切です。

◎海外のエンジニアを積極的に採用する

国内のエンジニアは不足した状態が続いていますが、海外には有能なエンジニアが数多く揃っています。近年は外国自エンジニアの採用に乗り出す企業も多く、実際に外国人エンジニアの雇用数は2008年から2015年の7年間で約2倍に増加しています。採用活動を一からバックアップしてくれる外国人エンジニアに特化した人材紹介サービスもあり、初めての外国人エンジニアの雇用も安心して行えます。

◎未経験の人材を採用して育てる

経験にこだわらず未経験の人材を採用して、自社で教育していくのも一つの手です。エンジニアが不足する一方で企業のエンジニアに対する需要は増加しているため、企業間の採用競争が激化しています。経験はあるに越したことはありませんが、採用条件を厳しくしすぎると採用に結びつきにくくなってしまうのも事実です。近年はプログラミング教室なども増えており、未経験であっても基礎は身についているという人も少なくありません。将来性を見込んで、未経験の人材の採用も検討してみてはいかがでしょうか。

◎働きやすい労働環境をつくる

エンジニア不足を解消するためには社員を採用することも大切ですが、社員が辞めていかないように定着させることも大切です。社員に「この会社でずっと働きたい」と思ってもらえるよう、会社側も努力していく必要があります。一昔前は残業や休日出勤が当たり前というように劣悪な労働環境を強いる企業も多くありましたが、働き方改革により残業の廃止やリモートワークの導入など社員が働きやすい労働環境づくりに積極的に取り組む企業が増えています。労働環境が悪いと、労働環境の良い会社に貴重な人材を取られかねません。労働者に選ばれる魅力的な労働環境をつくっていきましょう。

●まとめ

日本のエンジニア不足は深刻化しており、2030年になっても人材不足が解消される見込みは立っていません。厳しい状況にはありますが、人手不足が解消できないわけではありません。人手不足を解消するために有効な策の一つが、採用対象の拡大です。日本人の即戦力となる人材を中心に採用を進めている企業も多いかもしれませんが、外国人エンジニアや未経験者の中にも有能な人材は数多くいます。人種や経験にこだわらず採用を行ってみてはいかがでしょうか。また、優秀な人材を採用するためにも、そして採用した社員を定着させるためにも労働環境を整えていくことは大切です。エンジニア不足の現状を理解したうえで、エンジニア不足を解消するための対策を行ってきましょう。

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