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2023年インド見聞記(第1回)|インドでコンビニと温泉卵 低温貨物輸送の進化を実感

2023年インド見聞記(第1回)|インドでコンビニと温泉卵 低温貨物輸送の進化を実感

サンウェルでアジアビジネスのコンサルタントを務める渡辺千晶が、新型コロナウィルス対策が緩和されてから、はじめてインド出張に行ってきました。そこで出会った「今のインド」をお伝えします。

インドでコンビニと温泉卵 低温貨物輸送の進化を実感

3年ぶりのデリーで印象的だったのが、コンビニの増加でした。インドでは「キラナ」と呼ばれる伝統的な零細店が小売店の9割以上を占めており、その数は800~900万軒と言われています。キラナは家族で営まれていることが多く、彼らの収入保護の観点から複数ブランド商品を扱う総合小売業の出店が規制される時代が長らく続いていました。

それでも最近の規制緩和を受け、大都市を中心にスーパーマーケットやコンビニの出店が相次いでいます。特に注目したいのがインド資本のコンビニ24SEVENの躍進です。2004年の1号店オープン以来順調に店舗を拡大し、現在、デリー首都圏で約120店舗を展開しています。

この24SEVENの店頭には冷えたドリンクやフレッシュサラダ、ハムやソーセージ、ロック氷などが並んでいます。日本ではおなじみの商品ですが、コールドチェーン物流の整備が遅れているインドでは非常に珍しい光景だと言えるでしょう。インドでは定温輸送サプライチェーンやインフラ等の不足により青果物や鮮魚、食肉も常温での保存、輸送が一般的です。そのため生鮮食品の約37%が品質劣化により廃棄されており、食品価格の上昇につながっています。またコールドチェーンの不備により、ワクチンの25%も廃棄されています。

そのため定温物流の整備が重要な課題となっていたのですが、この24SEVENの拡大は、それが改善されている証拠だと言えるでしょう。デリー首都圏に2店舗を展開している「すき家」でも温泉卵がメニューに登場しており、卵には完全に火を通さないと危険だと言われているインドで生に近い卵が食べられるようになった背景にも、コールドチェーン物流の発達があることでしょう。

インドにおける定温貨物物流は2009年~21年で年平均成長率14.9%、市場規模は21年には79.1億ドルに達すると見込まれていました。インド政府も冷凍、冷蔵倉庫への補助金を出しており、今後も市場に堅調な成長が見込めることから、日本企業の進出分野としても有望ではないかと考えます。

参考:経済産業省「平成29年度 質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業 (インド:日本企業のインド進出に資する定温貨物鉄道輸送技術の 実現可能性調査)調査報告書」


<執筆者プロフィール
サンウェル 社長室 コンサルティング事業部 部長 渡辺千晶
インド専門の調査コンサルティング会社出身。インドをはじめとするアジア諸国におけるコンサルティング、進出セミナー、駐在者への研修などを担当。
インタビュー記事:https://sunwells.com/recruit/people/watanabe/


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