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2023年インド見聞記(第3回)|コルカタでチャイナタウンが人気上昇中

2023年インド見聞記(第3回)|コルカタでチャイナタウンが人気上昇中

サンウェルでアジアビジネスのコンサルタントを務める渡辺千晶が、新型コロナウィルス対策が緩和されてから、はじめてインド出張に行ってきました。そこで出会った「今のインド」をお伝えします。

コルカタでチャイナタウンが人気上昇中

コルカタ(旧カルカッタ)にインド唯一の中華街があることをご存じでしょうか?インドと中国は3,000km以上の国境に接しており、昔から人やモノの交流が盛んに行われていました。コルカタが英国植民地時代にインドの首都となると中国からの移民も増え、20世紀初頭には客家を中心に2万人を超える華人が住居を構えました。コルカタ中心部にほど近いTiretta BazaarやTangra地区にはチャイナタウンが形成され、中国料理店や食材店、寺院や廟がずらりと並び華人学校も設立されました。しかし1962年の中印国境紛争を受け華人の排斥運動が起きるとインドを離れる人が続出し、現在コルカタに住む華人は2,000人程度と言われています。

しかしここ最近、コルカタのチャイナタウンへの注目が高まっています。「異国文化」が気軽に体験できるスポットとしてSNSなどで情報が広がり、週末の朝市には華人が作る本格肉まんやシュウマイ、ソーセージなどを目当てに若いインド人たちが集まるように。筆者が訪問した時にも屋台には行列ができ、実況を行うユーチューバーも。異文化交流のフィールドワークにきた大学生グループに、筆者もインタビューを受けてしまいました。手作り豆腐を売る高齢の華人男性に中国語で話を聞いてみると、出身は広東省で子供のころにコルカタに渡ってきたとのこと。この街に住む華人は減ってきているけど、若いインド人のお客が増えているのは嬉しいね。中国語で話すのはひさしぶりだよ、孫がいるけど彼らは英語しか話さないんだよね‥とうれしさと寂しさが混じった顔で語ってくれました。

ここ最近の印中国境では衝突がおこっているようですが、コルカタでの両国の関係は良い方向に深まっているようです。

参考:「インドの華人社会とチャイナタウン」 山下晴海 地理空間学会
「India’s disappearing Chinese community」 BBC ほか


<執筆者プロフィール
サンウェル 社長室 コンサルティング事業部 部長 渡辺千晶
インド専門の調査コンサルティング会社出身。インドをはじめとするアジア諸国におけるコンサルティング、進出セミナー、駐在者への研修などを担当。
インタビュー記事:https://sunwells.com/recruit/people/watanabe/


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