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外国人採用の注意点とは|プロセスごとのチェック項目を解説

外国人採用の注意点とは|プロセスごとのチェック項目を解説

少子高齢化の進行に伴い、近年注目されているのが外国人の採用です。しかし、外国人採用においては遵守すべき法規や雇用条件の整理など、さまざまな注意点があります。

本記事では、外国人採用の注意点を「事前準備」「採用選考」「雇用手続き」という3つのプロセスに分けて解説します。外国人の採用を検討している方、うまく運用できるか不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。

外国人採用の注意点【事前準備編】

外国人採用を行う際には、まず関連法規の確認や社内環境の整備が必要です。事前にしっかり準備を行えば、スムーズに外国人社員を受け入れられます。

ここでは、外国人採用に必要な事前準備として以下3つのポイントを解説します。

・関連法規を確認する
・教育環境を整える
・受け入れ体制を整備する

◎関連法規を確認する

外国人を雇用する場合、日本人にも適用される労働基準法などの基本的な法律に加え、入管法(出入国管理及び難民認定法)など外国人ならではの法規も遵守する必要があります。

厚生労働省の関連ページなどで最新情報を確認したうえで、在留資格の確認や雇用状況の届出が漏れないようにしましょう。

参考:厚生労働省「外国人の雇用」 

◎教育環境を整える

外国人を採用する際には、入社後の教育環境を整えることも重要です。日本語で作成したマニュアルをただ渡すだけでは、言語能力の不足や文化的な違いによってうまく習得できない可能性があります。

日本流の仕事の進め方を共有したり、指導役の日本人が積極的にコミュニケーションをとったりするなど、スムーズに業務を習得できるよう環境を整えておくことが大切です。

◎受入れ体制を整備する

外国人を受け入れる際には、既存の組織に問題なく受け入れられるよう体制を整備しておきましょう。同じチームで働く上司や同僚に対し、外国出身者と一緒に働くことへの理解を促す必要があります。

異なる文化や背景を持つ人々と協力して仕事を進めるには、相互理解が欠かせません。外国人を採用する意義や、日本と海外の文化の違いなどについて、既存社員に説明する必要があります。

食事会やイベントなど、入社した外国人社員との交流機会を設けるのも効果的です。雑談を通じて人柄や文化の違いをお互いに理解すれば、認識の違いによるミスコミュニケーションが発生しづらくなります。なお食事会を開催するにあたっては、外国籍社員の宗教による食のタブーなどを事前に確認する必要があります。

信頼関係を構築することで、国籍の異なる社員同士でも同じ目標に向かって協力できるはずです。

外国人採用の注意点【採用選考編】

事前準備が整ったら、採用選考のプロセスに移ります。外国人の採用においては、在留資格や日本語能力の確認が欠かせません。また、採用後のトラブルを回避するためには労働条件通知書による認識のすり合わせも重要です。

ここでは、外国人の採用選考における注意点として以下3つのポイントを解説します。

・在留資格を確認する
・日本語レベルを確認する
・労働条件をすり合わせる

◎在留資格を確認する

外国人を採用するにあたって、もっとも重要といえるのが在留資格の確認です。

外国人の在留資格には29種類ありますが、就労の可否や範囲はそれぞれ異なります。「高度専門職」や「技術・人文知識・国際業務」など、さまざまな種類が存在します。

自社の業務に必要な在留資格の種類を把握し、選考プロセスのなかで確認するようにしましょう。在留資格と業務内容がマッチしていない場合や在留資格の期限が切れている場合には、雇用主が罰則を科せられる可能性があります。

◎日本語レベルを確認する

外国人採用においては、日本語レベルの確認が欠かせません。業務内容によっては、高いレベルが求められることもあります。

外国人の日本語レベルを測る際には、客観的な評価基準として日本語能力試験(JLPT)を活用するのが一般的です。

日本語能力試験でN1~N2レベルと認定されている方であれば、ビジネスの現場でも十分な意思疎通が可能と考えられます。高度な業務内容であっても、しっかりと教育・交流することで活躍してくれるはずです。

N3レベル以下の場合、簡単な指示に基づく業務や単純作業であれば対応できる可能性があります。しかし、複雑な業務や高度な意思疎通は難しいでしょう。

その一方で日本語能力試験は漢字や文法などのペーパー試験の結果を重視するため、外国人候補者の日本語を話す、聞くの能力が高くても、それが試験結果に反映されていないケースもあります。そのため、外国人の日本語能力を測る際は、試験結果だけでなく面接での受け答えを評価に入れることも大切です。

◎労働条件をすり合わせる

外国人を採用する際、トラブルにつながりやすいのが労働条件に関する認識の不一致です。特に文化の違いなどによって、日本人にとっての当たり前が外国人には受け入れられないケースがあります。日本人を採用するとき以上に、文面での明確な記述が求められるでしょう。

トラブルを回避するためには、労働条件通知書を必ず作成し、内容に納得してもらったうえで採用することが大切です。法規上は日本語での作成で構いませんが、確実に理解してもらうためには採用対象の外国人が理解できる言語でも作成するのが望ましいでしょう。

労働条件に対する十分な理解が得られれば、採用後のトラブルを防止できます。

●外国人採用の注意点【雇用手続き編】

外国人の採用を決定したあとには、雇用の手続きにも注意が必要です。特にハローワークへの外国人雇用状況の届出を忘れないようにしましょう。

採用決定後の雇用手続きにおける注意点として、以下3つのポイントを解説します。

・ハローワークに届け出る
・労働関連の法律を遵守する
・社会保険・労働保険に加入する

◎ハローワークに届ける

外国人の採用後、雇用主はハローワークに外国人雇用状況を届け出る義務があります。具体的には、雇用する外国人の氏名や在留資格などの情報を提出します。

外国人雇用状況の届出は、政府が外国人社員の雇用状況を把握し、事業主への助言や指導、離職した外国人の再就職支援などに利用するための制度です。

届出の方法としては、ハローワークへの提出のほか、電子申請も可能です。オンラインでの電子申請ならハローワークを訪問する必要がないため、届出にかかる手間や時間を削減できるでしょう。

◎労働関係の法律を遵守する

外国人を採用する場合も、日本人と同様に労働基準法・最低賃金法は遵守する必要があります。国籍にかかわらず、労働者の権利保護や公正な労働条件の確保を求める法律だからです。

賃金や労働時間、休日日数、安全衛生など、外国人であることを理由に基準を変更することなく、すべての労働者に公平かつ適切な労働環境を提供することが大切です。

◎社会保険・労働保険に加入する

外国人を採用した場合にも、日本人と同様に社会保険・労働保険に加入する必要があります。ただし、労働時間など条件によっては加入が不要な場合もあるため、関連省庁の最新情報を確認するようにしましょう。

●まとめ

本記事では、外国人を採用する場合の注意点を「事前準備」「採用選考」「雇用手続き」という3つのプロセスに分けて解説しました。

事前準備の段階では、関連法規の確認や教育環境・受け入れ体制の整備が重要です。また、採用選考の際には在留資格や日本語レベルの確認に加え、労働条件のすり合わせを慎重に行う必要があります。採用後にも、ハローワークへの届出や社会保険・労働保険の加入など、必要な手続きは少なくありません。

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