年々雇用が拡大中。外国人技術者採用の流れと採用成功のポイントを紹介

国内の技術者不足が深刻化する中、外国人技術者の雇用が年々拡大しています。外国人技術者の雇用を検討している企業も多いのではないでしょうか。外国人を採用する際はビザの手続きなど日本人採用にはない手続きも必要となるため、しっかりと採用の流れを押さえて採用活動を始めることが大切です。外国人技術者を採用する流れから採用成功のポイントまで詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。

●なぜ外国人技術者が注目を集めているか

会議をする人々

近年、日本では外国人技術者の雇用が増加しています。外国人技術者の雇用が増加している背景には、日本の深刻な技術者不足という問題があります。経済産業省の調査によると2015年を境にIT人材の供給は減少していく一方でIT人材の需要は増加の一途を辿り、2030年までには最大で79万人の人材不足に陥ると言われています。日本では少子高齢化が進み労働人口が減少していることに加え、IT業界は激務というイメージも強く人材が確保しにくい状態が続いています。そのため、海外の人材に目を向ける企業が増えています。また、技術の高さや海外進出の中核を担える人物を確保できるという点も、外国人技術者が人気を集めている要因となっています。

●外国人技術者を採用するまでの流れ

外国人採用は、日本人を採用する場合とは流れが少し異なります。まずは、外国人採用の流れを確認しておきましょう。

1、求人募集

2、面接

3、入国管理局へのCOE申請

4、ビザ発行

5、入社

◎外国人採用を成功させるために押さえておくべきポイント

パソコン片手にメモを取る男性

外国人採用を成功させるうえで重要となるのが、採用者の選定を行う「面接」と日本人採用にはない「入国管理局への手続き」を押さえておくことです。面接で役立つ質問事項と入国管理局への申請について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

・面接で聞いておくべき質問事項

採用において面接は、互いのことを知りミスマッチを防ぐ重要な場となります。しかし、相手が外国人となるとどのような質問をして見極めを行えば良いのか、迷われる方も多いのではないでしょうか。外国人を採用する際に聞いておきたい質問をまとめたので、確認していきましょう。

・来日目的を確認する

外国人を採用する際は来日目的を尋ね、日本での就労意欲をしっかりと確かめることが重要です。文化や価値観が異なる異国の地で働くことは簡単ではなく、中途半端な気持ちで入社してしまうと早期退職につながってしまう恐れがあるのです。例えば、来日目的が「日本の文化が好きだから」と言ったような単なる憧れだけでは、日本で仕事をする覚悟があるのか疑問が残ってしまいます。「なぜ日本で働きたいのか」「日本で何を学びたいのか」など、様々な角度から外国人技術者が本当に日本で働く覚悟があるのか探っていきましょう。

・経歴や人柄に関する質問

外国人技術者のスキルを確認するために、経歴についてはしっかりと確認しておきましょう。また、「上司との関係の築き方」や「トラブルが発生した時の対応」「日本の働き方に慣れるための努力」など仕事の進め方に関する質問を行えば、働くうえで重要となる「コミュニケーション能力」や「ストレス耐性」「問題の処理能力」などを探ることもできます。人柄を知るためには、「性格」や「長所・短所」などを尋ねると良いでしょう。

◎入国管理局への申請

日本人採用と大きく異なるのが、入国管理局への申請が必要になるという点です。入国管理局への申請は、海外にいる外国人を採用する場合と日本国内にいる外国人を採用する場合で異なります。

・海外にいる外国人を採用する場合

海外にいる外国人を採用する場合はビザを発行するために、まずは企業が入国管理局へ「在留資格認定証明書」の申請を行います。ビザの発行は外国人本人が行う必要があるため、「在留資格認定証明書」は採用予定者に送付してください。外国人本人が自国の日本大使館または領事館にて、ビザの申請を行います。ビザの発行までには1ヶ月~3ヶ月の期間が必要となるため、内定を出したら速やかに入国管理局への申請を進めましょう。

・日本国内にいる外国人を採用する場合

日本国内にいる外国人を採用する場合は、外国人が所有している就労ビザで自社での勤務が可能か入国管理局に判断してもらうために「就労資格証明書交付申請」を行う必要があります。在留資格の審査は職種も考慮して行われるため、前職で使用していた在留資格が職種が変わっても適用されるとは限らないため手続きが必要となるのです。

なお、ビザや在留資格については次の章で詳しく紹介しているので、併せて確認してください。

●外国人技術者を雇用する際のビザ、在留資格のポイント

パスポート

外国人技術者を雇用する際に必ず必要となる、「ビザ」と「在留資格」について確認していきましょう。ビザの発行を成功させるポイントも紹介します。

◎そもそもビザ、在留資格とは何か?

「ビザ」と「在留資格」は混同して考えられがちですが、役割は全くの別物です。外国人技術者を雇用する前に、「ビザ」と「在留資格」について確認しておきましょう。

・ビザ

ビザとは、入国を許可する事前査証のことを指します。申請者のパスポートが有効で、かつ審査において入国に問題がないと判断された場合にビザが発行されます。ビザの発行は自国にある日本大使館や領事館で行うことになります。例えば、アメリカ人がビザを発行する場合は、アメリカの日本大使館または領事館にてビザの発行が行われるということです。

・在留資格

在留資格とは日本での滞在に必要となる資格のことで、就労する際は従事する仕事にあった在留資格が必要となります。最終学歴により、資格がない場合もあります。また、オフィスワーカーとして外国人を採用する際は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が必要となります。エンジニアなど技術者は「技術」、営業や経理などの事務職は「人文知識」、通訳や翻訳などは「国際業務」に当てはまります。在留資格と異なる業務に従事した場合は、資格外労働で不法就労となってしまうので在留資格の確認は入念に行いましょう。転職などにより従事する業務が変更になった場合は、在留資格の変更が必要となります。

◎ビザを発行してもらうために押さえておくべきポイント

ビザは申請を行えば必ず取得できるわけではありません。そのため、ビザが発行される見込みがあるのか、事前に確認しておくことも外国人を採用する上では大切になります。採用に支障をきたすことがないように、ビザを申請する際のポイントを確認しておきましょう。

・学校での専攻内容や実務経験に沿った採用を行う

基本的に外国人を採用する際は単純労働は禁じられており、学校での学びや実務経験を生かした専門性のある業務への従事が必須となっています。実務経験の年数は基本的には10年以上必要ですが、翻訳・通訳などの国際業務は3年以上と設定されています。学歴や職歴が採用職種と結びついているのかは、入国管理局で審査されます。審査をクリアできる経歴を採用予定者が有しているのか、必ず確認しておきましょう。

●外国人技術者を採用する際の注意点

パスポート

外国人雇用で思わぬトラブルを招かないよう、採用時の注意点を紹介します。

◎労働環境の整備

海外と日本では労働環境が異なる部分も多く、外国人技術者が快適に働けるよう労働環境を整えていく必要があります。例えば、評価体系については日本では年功序列での評価が一般的ですが、海外では完全実力主義が一般的です。また、信仰する宗教によっては就業時間内にお祈りの時間を必要とする場合もあります。このように、日本とは異なる文化や働き方を持つ外国人でもストレスなく働けるよう、労働環境を見直していく必要があります。

◎ビザ・在留資格に関する取り決め

紹介したように外国人が日本で働く際は必ずビザと在留資格が必要となりますが、申請しても許可が下りない場合があります。許可が下りなかった際は当然雇用することはできないため、雇用契約のトラブルを防ぐためその場合の対応について事前に取り決めを行なっておくことが大切です。雇用契約書には許可が下りなかった場合は雇用契約を結ばない旨を、就業規則には在留資格の変更・更新の許可が下りなかった場合は解雇する旨を記載するなど、事前に処遇を決めておきましょう。

●まとめ

国内のIT人材が不足する中、外国人技術者は非常に貴重な存在となっています。海外進出の中核を担える人材の確保にもつながるなど、雇用するメリットも豊富です。ただし、採用までにはビザや在留資格の手続きなど日本人採用にはない手続きも必要となるため、紹介した採用の流れや注意点をしっかりと確認したうえで採用活動を始めましょう。